黒アルマイトの色むらを改善したい
- お客様の課題
- A5052の光学部品に行った黒いアルマイト処理で、染色不良のため緑がかった仕上がりになってしまいました。
外観部品だったため、他の部品と色が合わず、色むらを無くすための再処理が必要でした。
- 課題解決のポイント
染色の色むらが起きる原因
カラーアルマイトは皮膜の微細な孔に染料を浸透させて発色させますが、この孔の状態が均一でないと染色ムラや色抜けが発生します。原因としては、材質の成分ばらつき、皮膜厚さの不均一、止まり穴など形状による染料の滞留・不足が挙げられます。また、処理条件や染料の濃度管理が不十分でも不具合につながります。
処理条件の調整と膜厚管理
液温の設定や電流値がわずかに変化するだけで、皮膜の状態や染料の浸透性が変わり、色ムラや濃淡差につながります。そのため、製品ごとに条件を調整し、最適な仕上がりを探ることが不可欠です。また、材質ごとに適切な膜厚も異なり、厚すぎても薄すぎても染色不良の原因となります。当社では、長年の経験と管理技術により、材質ごとの最適解を見つけ安定した品質を実現しています。
- 行った処理
- カラーアルマイトの仕上がりを安定させるためには、実サンプルを用いてテストを行い、処理条件を徹底的に追及することが大切です。アルマイトの付き方は、形状や加工精度、切削方法によっても変化し、単にアルマイトの問題とされがちですが、実際にはワークそのものが影響する場合も少なくありません。そのため、お客様に加工の最終狙い値を見直していただく協力を得ながら、初期段階で仕上がりを確認。量産時にロット間のばらつきが出ないよう管理体制を整えています。